5月28日に赤坂インターシティコンファレンスで開催されたSalesforce Basecamp For Financial Services 2019に参加しました。
会場はこんな感じ。セッション会場が3つとブースが10箇所用意されていました。
イベントのアジェンダ
- 12:45-18:40 Registration/EXPO Open
- 13:30-14:30 Keynote
- 14:55-17:35 Breakout Session
- 17:35-18:40 Networking Reception
見に行ったセッション
- 13:30-14:30 Keynote
- 14:55-15:35 デジタル体験変革による顧客接点強化-三菱UJFモルガン・スタンレー証券様による取り組み
- 15:55-16:35 大分銀行様におけるクラウド化IT戦略と業務課題へのアプローチ
- 16:55-17:35 邦銀初!住信SBIネット銀行様のフルクラウド型コンタクトセンター(Service Cloud×Amazon Connect)の取り組み
- 17:35-18:40 Networking Reception
13:30-14:30 Keynote(基調講演)
最初の基調講演は二部構成でした。
- 第一部:キャッシュレスの動向とデータ活用の重要性
- 第二部:顧客起点のサービス変革に向けて
第一部は株式会社インフォキュリオン・グループの代表取締役社長でFinTech協会代表理事会長の方が登壇され、キャッシュレス界隈についてのお話が聞けました。
いろいろな支払いサービスが増えていますが、ガイドラインも用意されて企業間での連携が可能になっていたりオープンAPIなどが用意されているといった話が聞けました。またキャッシュレス協会が設立されて標準化を進めているとのことです。(昨年設立されたそうです。)
その他セッション内では同じキャッシュレスでもクレジットカードとコード決済では支払いの際のフローに違いがあるといった話や、複数ある決済方法に対応できる端末が開発されているので、利用者が支払可能か悩まなくてもよくなるようになる話がありました。
Salesforceとは関係無い分野の話ではありましたが普段何気なく利用していたキャッシュレス周りの話を聞くことができてよかったです。
第二部ではSalesforce社の常務執行役員 エンタープライズ金融営業本部長の方が登壇されてSalesforce周りの話をしてくれました。Salesforce Tower Tokyoができる話と金融機関向けシステム構築をサポートしてくれるパートナー企業がたくさんある話が聞けました。
その他、Mule Softをつかったシステム連携やFinancial Service Cloud、金融機関向けCustomer360が用意されている話がありました。Line WorksとSalesorce連携の事例の話も興味深かったです。最後に今後つながってほしいパートナー企業があったら教えてください。とのことでした。
13:30-14:30 Breakout Session1
1つめのBreakout Sessionでは三菱UFJモルガン・スタンレー証券のお話が聞けました。Service CloudとMarketing Cloudによるシステム構築の話と運営サービスの『MUFGテラス』についてのお話がありました。
会場は基調講演と同じ一番広い部屋でした。前の方の席が空いていたので最前列で見ることができました。イベントの前の方の席って以外と空いてる気がします。(気をつけないとReserve席だったりしますが..)
Service Cloudではコールセンターや問い合わせ受付の仕組みを構築した話を聞けました。電話、メール、チャットと様々な問い合わせ方法をサポートできるオムニチャネルの仕組み構築が行えたとのことです。対面型コンサルサービスと非対面コンサルサービスの両方を提供し、リアルとデジタルの統合を実現しているとことです。
今回のセッションでメインの話は運営サービス『MUFGテラス』の話でした。
MUFGテラスは2018年11月18日に開始されたチャットとメールで投資相談が行えるサービスとのことです。チャットはリアルタイムでのやりとりが可能で相談から注文まで対応可能となっていて、メールはリアルタイムではないので注文の受付はできないが24時間受け付け可能で翌日回答となっているそうです。
チャットは電話よりも聞きやすくて便利という声がある話も興味深かったです。マーケットAIの仕組みで市況等について自動応答する仕組み構築も行っている話がありました。その他非対面コンサルではバーチャル担当が窓口となり、裏側では複数人のスペシャリストがサポートする体制にすることで利用者が使いやすいサービスとなるようにしたといった話もありました。こうしたサービスの設計周りについての話を聞くことができて良かったと思います。(リアルタイムのチャットをサポートしようと思ったら多くスタッフが必要ということも改めて意識できました。)
Marketing Cloudでは顧客が望む適切なタイミングで情報を提供するシステム構築を行った話がありました。ここは比較的サラッと話が進んだ気がします。ただ、メールについての話で「メールは一斉配信に適したメディアで、低コストだが適したタイミングで送信できるのはシステム化が必要」という話でMA製品がなぜ必要になるのかなんとなく意識できた気がしました。
14:55-16:35 Breakout Session2
2つめのBreakout Sessionでは大分銀行の事例についての話が聞けました。撮影・録音禁止のアナウンスがあったのと満席で立ち見となったセッションでした。内容としては、大分銀行のシステム構築を行った日本システム技術株式会社の方が登壇されてBank Neoという製品の紹介という感じでした。
Bank Neoは2011年に提供開始された製品ですが、今回Cloud版を2019年に提供開始し、またBank Neoの機能の一つで預かり管理機能をSalesforceを基盤として開発した話を聞くことができました。預かり管理機能は大分銀行と共同開発していて今年の秋頃にリリースする予定とのことです。
その他の話はこんな感じ。
- 預かり管理機能の開発基盤としてSalesforceを選んだ理由(セキュアな環境)
- 大分銀行プロジェクトについての紹介ビデオ
- 今までのオンプレミス開発とクラウドを使った開発の違いについて
- Bank Neoの強み
- これからのIT戦略
実際にはもっと細かく参考になる話を聞くことができていますが、ざっくりこんな感じのセッションでした。クラウド導入のメリットや導入前の検討事項などといった話は聞くことができてよかったです。
16:55-17:35 Breakout Session3
3つめのBreakout Sessionでは住信SBIネット銀行とiSiDの方が登壇されたフルクラウド型コンタクトセンターの話を聞くことができました。このイベントの中で一番技術者向けの話だったと思います。CRM選定でSalesforceを選んだ理由やできる限り標準機能を活かしつつ必要に応じてAWSでシステム構築を行なった話、Salesforceのガバナ制限を考慮してシステム連携の設計を行った話を聞けました。
まとめ
半日のみのスケジュールとなりましたが、金融機関向けの話をいろいろ聞けてよかったです。見に行ったセッションでは共通してSalesforceによるセキュアな環境/強固なセキュリティという話が出ていたかなと思います。上記に記載した内容については一応メモ取りながら聞いていったので大きな聞き間違いはないと思うのですが、もしかすると認識誤り等あるかもしれません。
さいごに
Networking Reception楽しかったです。
食事も最高でしたが、パートナーブースでお話を聞くことができました。今回お話を聞きにいったブースは次の4つです。
- ワークスモバイル株式会社 - LINE WORKS(LINE for Sales)
- 株式会社アイリックコーポレーション - smart OCR
- VLocity Japan 株式会社 - Vlocity
- セールスフォース・ドットコム - Success Cloud (プレミアサクセスプラン)
LINE WORKS(LINE for Sales)
SalesforceとLINE WORKSのシステム連携を実現できるLINE for Salesという製品の話を聞きました。基調講演でチラッと名前が出てきたので気になって行ってみました。
明治安田生命にて「LINE WORKS」と「Salesforce」の連携ソリューションを導入|ワークスモバイルジャパン株式会社のプレスリリース
ブースでサクッと聞いた話になるので導入検討時の詳細確認はきちんと問い合わせを行う必要があると思いますが、料金はサブスクリプションモデルで月額XX円という形で、システム導入費用は発生しないとのことでした。
また、厳密にはRekuruというシステムも連携に必要になるため、下記の構成となります。
LINE × LINE WORKS × Rekuru SFA × Salesforce
Rekuru SFAについての詳細は聞いていませんがこちらの導入必要はまた別途必要になるのだと思います。LINEとSalesforce連携の仕組みをきちんと構築しようとするとかなり大変なイメージがあるので、お手軽にデータ連携が可能になる製品はすごく便利だと思います。
smart OCR
smart OCRは画像データを渡すとテキスト構造化データとしてアウトプットしてくれるAPI連携を提供してくれるサービスでした。アウトプット時のテキスト構造化データはJSON形式とのことです。
構想中の案件例として住宅ローン仮審査の必要書類(物件情報や本人確認書類)をOCRでデータ化するといった例がでていました。利用イメージとしてはモバイル端末で書類を写真撮影するとデータ化されるといったことが可能とのことです。これは紙の電子化を行っていきたい企業にとって非常に便利なサービスだと思います。また導入時に要望に応じてカスタマイズ可能との案内も資料に記載がありました。
Vlocity
こちらは話を聞きにいったところ保険業界に特化したサービスを提供しているみたいです。また本社はUSAにある企業とのことでした。
保険業界とは関係なかったので詳しい話は聞かなかったのですが、せっかく来てくれたのでと資料と会社ロゴの入ったボールペンを頂いちゃいました。資料に書いてあった内容を見ると、「見積」〜「制約」までの一連の流れをサポートするアプリケーションを構築できるみたいです。おそらく規模の大きいアプリケーションなのだと思います。本社がUSAとのことで現状事例も海外企業のものがメインでしたが、Salesforce上で保険業のシステム構築する際には話を聞いてみると良いかもしれません。
Success Cloud
最後にセールスフォース社のブースにも行ってみました。Success Cloudということでプレミアサクセスプランや定着化についての話が聞けました。最近サポートに問い合わせる機会が多いのでプレミアサクセスプラン契約してほしい。けど数年間継続して使い続けるかわからないな..と悩んでいたのでいろいろ相談に乗ってもらいました。こうしたイベントではセールスフォースの中の人に直接相談できる機会があるのですごく助かりました。
Salesforce Basecamp For Financial Services 2019はだいたいこんな感じでした。Salesforceのイベントは事例や今まで知らなかった製品の話が聞けてすごく参考になるので機会があればなるべく参加していきたいです。