Sales Cloud Einsteinを試してみました。実際に導入したわけではないのですが、ちょっと触らせてもらう機会があったのでそのときのメモ。
Einsteinは製品毎に用意されていてSales Cloud用のEinsteinがSales Cloud Einsteinです。営業の人の業務をサポートするための機能になります。
Sales Cloud Einsteinで利用できるのは下記の機能です。
- Einstein 取引先インサイト
- Einstein 商談インサイト
- Einstein リードスコアリング
- Einstein 商談スコアリング
- Einstein 売上予測
- Einstein 活動キャプチャ
- Einstein 自動取引先責任者
初期設定について
Sales Cloud Einstein の使用開始は設定アシストのページから有効化を行えいます。利用可能になったあと設定メニュー内に「支援付き設定」が追加されるのでそこから設定できます。初期設定の手順としては権限セットをユーザに割当して権限を付与します。それから下記機能を有効化および設定することで利用可能となりました。
Einstein 取引先インサイトについて
Einsteinインサイトですが、取引先オブジェクトのニュース機能の情報を元に参考になる情報を画面に表示してユーザに提供できる機能です。ただし現時点ではニュース機能は海外向けの機能で日本語はサポートされていないため、取引先インサイト機能の利用もできないようです。
Einstein 商談インサイトについて
商談インサイトは商談のページで利用できる機能です。こちらはEinstein 活動キャプチャやInboxの機能を利用してメール連携が可能になった組織で活躍できます。用途についてサポートに問い合わせてみたところ、下記の情報が表示されるようでした。
- [案件予測]
- [フォローアップアラーム]
- [重要な瞬間]
今回はメール連携は試さなかったのでスキップ。
Einstein リードスコアリングについて
イベントなどで紹介されていたのを見ていたので期待値の高かった機能です。ですが、利用の前提条件を満たせていなかったためエラーとなってしまい有効化できませんでした。
利用時の前提条件(確かこの条件)
- 過去6ヶ月間のリードデータが必要
- 一ヶ月辺り20件の取引開始データが必要
残念ながら現時点で上記の前提条件を満たせる状況ではありませんでした。ちょっとリード使いはじめましたという使い方では取引開始の件数は20件行かないと思います。
Einstein 商談スコアリングについて
リードスコアリングと同じく期待値の高い機能。こちらは商談データがあれば利用可能でした。
つかってみて思ったこと
①スコアの値について
スコアはスコア項目にセットされました。リストビューで昇順、降順で並び替えたりリストビューの条件指定で利用できます。
②スコアの理由の確認方法について
スコアの理由の確認方法ですが、スコア項目にマウスを当てるとポップアップで表示されます。Lightningページに配置できるコンポーネントは無いようでした。(Lightningの場合です。Classicは数値の代わりに理由が常に表示されていました。)
マウスを当てないと理由が確認できないのは正直かなり使いづらいと思いました。
③スコアの理由の内容にについて
スコアの理由は「上位肯定」と「下位肯定」の二種類の情報が表示されます。
例) 上位肯定
・Opportunities with this forecast type have a high success rate.
・このフェーズでの商談の成功率は高くなっています。
・この商談の上位肯定はありません
・商談に多くの活動があります。
例) 下位肯定
・完了予定日が遅れ続けています。
・[種別] 項目が空です。
・このフェーズでの商談の成功率は低くなっています。
・この取引先との過去の不成立商談。
・この商談の上位否定はありません
・この商談の上位否定はありません。
・スコアが下がり続けています。
・完了予定日の期限が切れました。
・金額が変更されました。この場合、これは好ましくありません。
・商談にかかっている時間が長すぎます。
・商談の最新の更新はありません。
・商談はフェーズ間をゆっくり移動しています。
・商談は現在のフェーズで停滞しています。
基本的にフェーズが進めばスコアが上がり、完了予定日などが遅れればスコアが下がる感じでした。営業担当の方向けではなくマネージャーポジションの方が低いスコアを注意してチェックするといった用途で利用することになりそうです。(カスタム項目も条件判定に利用されます。)
Einstein 売上予測について
売上予測では順調そうに進んでいた商談がいつの間に失注している..そんなケースはよくあるとと思いますが、Einstein 売上予測があれば失注リスクを考慮したしたより確度の高い結果を表示できるのかなと思い、こちらも期待値の高い機能でした。
ですが、Einstein 売上予測機能の利用にも前提条件がありました。下記の条件を満たしていないと有効化しても結果が表示されません。
・売上予測 Einstein を利用できるのは組織作成から2年以上が経過しており、かつ十分な商談履歴データ(24ヶ月分)が存在している場合
完了予定日で判別されるわけではなく、純粋に組織運用が2年以上必要となる機能でした。また、予測の条件には商談履歴データとなっています。商談履歴データとは、実際に Salesforce 上で商談に対して操作した履歴が残るレコードです。項目履歴の場合は20項目までの記録を残せますがEinsteinの予測で使える項目も対象に含めておく必要があるようです。
ということで残念ながらEinstein予測を表示することはできませんでした。
Einstein 活動キャプチャとEinstein 自動取引先責任者について
SalesforceとOutlookやGmailを連携させたときに利用できる機能です。今回は詳細についての確認は行いませんでした。
さいごに
Sales Cloud Einsteinはだいたいこんな感じでした。またEinstein予測ビルダーという機能があるのですが、そちらは別料金で追加オブション的な製品となっているようです。あと勘違いかもしれませんが、Einstein機能を有効化したら歯車アイコンの設定メニューやホームの一部コンポーネントの読み込みに時間がかかるようになった気がします。