Salesforceで資格管理アプリケーションをつくってみました。今回はApex開発無しでの実装です。
オブジェクト構成
- 社員
- 資格
- 試験用バウチャー
- 取得済み資格
社員
社員情報を管理します。名前や入社日、社員番号の管理などを行います。SFDCユーザとの紐付けも可能です。
資格
資格情報を管理します。
発行機関毎にビューを分けることで対象の資格情報にアクセスしやすくします。
試験用バウチャー
購入済みの試験用バウチャーを管理します。
試験用バウチャーオブジェクトにはレコードタイプを用意しておきます。対象資格にSalesforce以外の資格が増えた場合、受験バウチャー種類選択リストの値をレコードタイプ毎に制御します。
取得済み資格
社員が取得した取得済み資格情報を管理します。社員オブジェクトと資格オブジェクトを親に持つオブジェクトです。(主従関係)
基本的には資格取得日を管理するためのものです。必要に応じて資格のライセンス番号と失効日を入力できるようにします。
資格の詳細ページからも関連リストから確認できます。
使用時の流れ
1. 社員レコードの作成 (システム管理者が作成)
最初に資格管理を行いたい社員情報を登録します。 必要に応じて社員レコードとSFDCユーザを紐付けることも可能です。
2. 資格レコードの作成 (システム管理者が作成)
社内で管理対象の資格を登録します。説明やサイトURLを登録することでその資格の詳細を確認できるようにします。
3. バウチャーの割り当て
社員は自分に割り当てられた未使用のバウチャーが存在しないことを試験用バウチャー関連リストで確認します。
未使用バウチャーの有無はレポートから確認できます。
自分の欲しい種類のバウチャーがあるか確認します。
バウチャーの編集画面で使用者を自分に、コメントに用途を記載します。
使用者を自分に割り当てた後はそのバウチャーコードをつかって試験を受けます。
4. 試験結果の記載
バウチャー利用後は試験の結果を入力します。
試験結果を入力すると使用済み項目にチェックがつきます。
5. 取得済み資格の登録
試験合格後、新たに資格を取得したい場合(リリース試験は除く)は、社員詳細ページの取得済み資格関連リストから取得済み資格を登録します。
これで自分がどの資格を保持しているか一目でわかるようになります。
6. バウチャーの購入依頼
未使用バウチャーがすべてなくなった場合、Chatterでシステム管理者に購入依頼します。Chatterグループを用意しておくと管理しやすいと思います。(システム管理者側で月に一度購入の必要がないか確認する流れでもいいかも...)
バウチャーを新規購入後は、管理者ユーザが試験用バウチャータブからレコードを登録していきます。
以上が資格管理アプリケーションの使用時の流れになります。
レポートをつかった管理
資格情報をSalesforceに登録することでレポート・ダッシュボードをつかった管理ができるようになります。
サマリレポートをつかえば各ユーザ毎にどんな資格を所持しているか確認できます。
マトリクスレポートを使えば受験バウチャー種類毎の「使用済みバウチャー」と「未使用バウチャー」の件数を確認できます。
作成したレポート情報を元にダッシュボードでグラフ化することも可能です。
ダッシュボードの情報はホーム画面に表示することも可能です。
資格管理アプリケーションのメリット
ただ資格情報を管理するだけならExcelでも管理できると思います。Excelの場合、新しく社員情報や取得済みの資格情報を入力する際に行の追加や列の追加などの操作が必要になってしまいます。そういった操作の際に誤って他の人の情報を上書きしてしまったりする可能性があります。
Salesforceで管理することでそういったトラブルを回避することが可能です。また登録したレコードはレポートやダッシュボードで管理することで一目で自分の保持している資格を確認したり、会社として社員の資格取得状況を把握できるようになります。
特に試験用バウチャーは未使用分がどれぐらいあるかや、期限切れが近いバウチャーを確認できるようになるので便利だと思います。バウチャーの割り当てを行うことで、他の人が予約しているバウチャーを誤って利用するといったトラブルも回避できます。
まとめ
以上が今回作成してみた資格管理アプリケーションの概要です。受験済みのリリース試験の管理や、期限切れが近い未使用バウチャーの通知などいくつか改良点が考えられますが、Salesforceを使えばこんな感じで管理していくことができます。